消費者金融地獄の体験談と審査の甘い融資先

　一攫千金で借金返済を試みる男のランキング

ある秋晴れの日曜日のお昼過ぎ。
僕は神田の書店街を歩いていた。

僕のその日の格好は、糸くずがほつれた古い半そでのTシャツ。
何年も着古した洗いざらしのジーパン。
ディスカウントストアで659円で購入したスニーカー。
手には4年も使っているナイロン製の安物のセカンドバッグ。


誰が見ても昭和によくいた貧乏学生か貧乏苦学生のようない出立ちだ。

神田の書店街の歩道を見渡すと、秋葉原方面から可愛い彼女を連れた少しイケ面の大学生風の若い男性が手をつないで仲良く歩いてくる。

また、靖国通り沿いの少しこ洒落た喫茶店では若い男女カップル数組がコーヒーとケーキを食べながら楽しそうに会話をしている。


「はぁ・・・僕もいつになったらあんな風に幸せな人生を送れるのだろうか・・・、岩手県の田舎から上京してもう10年、、未だに彼女もいないし、仲が良い女友達も一人もいない・・」


「彼女欲しいなぁ・・・」


「でもその前に消費者金融の借金のカタをつけなくては！！」


そう気持ちを切り替えた僕は神田の大型書店の三省堂に向かった。神田の書店街に来た目的は、株式投資で稼ぐ為の情報収集だ。

株式投資でガッツリ稼いで消費者金融の借金を一気に完済しようと決心した僕は株式投資関係の本を求めて書店に赴いたのだ。


三省堂はさすが大型店舗ということもあり、株式投資関係の本が数多くあった。当時インターネットバブルということもあって株式投資は結構注目されていて色々な株関係の本も数多く出版されていたのだ。


書店の株式投資コーナーを見渡すと、色々なタイトルの本があった。どれも魅力的なタイトルだった。


「株で月収100万円稼ぐ方法」とか、

「株のデイトレードで毎日が給料日」とか、

「●●罫線でガッポリ稼ぐ方法」とか、

「仕手株で大儲けする方法」とか、

「低位株ボロ株で大儲けする方法」とか、

「株で1億円稼ぐ方法」とか、

「株で30億円稼ぐ方法」とか、


・・・それこそどんな本を選んだら良いのか正直判断に迷った・・・。


書店の株式投資コーナーの前で小一時間程さんざん迷った末に、僕は3冊の本を購入することに決めた。

いずれも「株式投資を短期で大儲けする」というテーマの本だ。


本当は株式投資も長期でじっくりと投資した方が良いに決まっているのですが、当時の借金地獄の僕にとってはそんな時間的余裕がありません。

1日でも早く株でお金を儲けて借金の返済をしたいと焦っていたので「短期で儲ける系」の株本に飛びつくのは至極当然のことであった。

3冊の株式投資本を購入した僕は家に帰り夜遅くまで貪るように3冊の株本を読んだ。

こんな読書をしたのは何年ぶりだろう・・・。

でも久し振りに気分は晴れやかだった。
株の本を読んで知識やノウハウを吸収することで自分が少し賢くなったような気がしたからだ。


よし、すぐにでも株を始めるぞ！
僕はやる気満々だった。

⇒次回に続く

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